昨年、カツミの製品を紹介しましたWestern Maryland No6の1982年製です。
1964年製につきましては下のリンクを参照していただければ幸いです。
2020-09-12から1日間の記事一覧 - 模型などなど趣味のブログ
生産時期に18年もの差がある割には外観はあまり変わりませんね。
配管がロストになったりロストの部品が更新されたりしています。一番変わったのが動力の伝達方式です。
1964年製ではサイドシャフトを直接ウォームで駆動していましたが、この製品は灰箱から動力軸を後台車へ出し、ベベルギアで車軸を駆動、サイドシャフトは車輪から力をもらい回ることとなりました。前台車やテンダーの台車にはボルスターにバネが入っていますが、後台車はモーターのトルクで暴れない様にするためかバネは入っていません。
かなり凝った仕様ですね。おそらくはキャブインテリアを入れるため、キャブにモーターを入れることができなくなったためと思われます。
モーターはボイラー後端に入っています。また、走行性能を上げるために重量バランスを考えてか車体後端のバンカーの中に結構大きなウェイトが入っています。
この1984年製は色々と気持ちの良い工作が施されていますね。
バックプレートもかなりの立体感です。
テンダーとのドローバーは確実な通電を確保するために大変立派な造りです。
見ていただければわかっていただけると思います。
炭水車がついた他社のshayは機関車だけで動くタイプが多く、中村精密は集電シューで絶縁側から集電、Unitedは前後の台車で絶縁車輪を+ーを逆転させて集電していますが、カツミ 製はテンダー集電です。
この製品は真鍮ネジが多く、またマイナスネジでかつネジが長いので安物のドライバーセットに入っているマイナスドライバーでは刃が厚すぎて分解が大変です。いいドライバーがあるといいですね。
後台車駆動のshayは車輪からさらにサイドシャフトやクランクが繋がってっいるので抵抗が大きくカウンタートルクの方策を考えないといけません。それがウェイトだったりなるべく抵抗の少なくなるベベルギアの採用なんでしょう。台車の上から駆動すると左右に振られ脱線しやすくなったりしますし、キャブインテリアを積むだけでも大変な苦労がいるのですね。
この模型は細部まで細かく気が配られた素晴らしい製品です。オークションなどでも見かけ、結構高価ですが、価値ある製品であることは間違い無いですね。